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2010年11月 9日 (火)

終わらざる夏

浅田次郎の『終わらざる夏 上・下』読了

招集されるはずのない3人に召集令状が届いた。
1人は45歳の英語の翻訳をしている片岡、東京帝大医学部に在学中の25歳の菊池、そして3度目の招集となる38歳の富永。
片岡は苦学して東京外大の英語科を卒業して翻訳の仕事をしていた。
美人の妻も苦学して女子高等師範を卒業し、片岡と同業でした。
二人の夢はアメリカに暮らすことだった。

戦争は末期を迎えており、大本営は停戦のために役立てるため英語通訳として招集年限ぎりぎりの片岡を招集した。
千島列島の一番外れにある占守島には関東軍として満州に派遣されていた存在自体が奇跡に等しい精鋭の第11戦車連隊を含む2万3000人の兵がいる。
そこに3人は派遣された。

ポツダム宣言受諾後の8月18日、突如7000人のソ連兵が占守島の日本兵に戦いを挑んだ。
まったくもって国際法違反も甚だしい。
占守島には缶詰を作るために、400名の若い女子挺身隊がいた。
砲弾が飛び交う中を彼女たちの身の安全を守るため、20隻の小舟に分乗させ北海道に帰すために男たちは奮闘した。
日本軍は武装解除の準備を進めていたが、兵器・練度・人員・士気とも高かった日本軍がソ連兵を全滅させた。

自分自身を犠牲にして、勇気を出して国を守ろうとした。
人それぞれ、いろんな人生を送っている。
一生懸命真面目に生きていた人々が、簡単に戦争の犠牲になるのがやりきれない。

また平成の泣かせ屋浅田次郎に泣かされてしまった。

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コメント

浅田次郎さんの本は読んだことないのですが
興味を引かれる内容ですね。
ちょうど今「二つの祖国」を読み直していて
戦争については自分の国のことなのに
知らないことが多すぎると反省していたところです。
機会があれば読んで見たいと思います。

投稿: あゆ | 2010年11月11日 (木) 11時52分

占守島の日本兵は停戦後、東京に帰られると言われて、騙されてシベリアの送られたそうです。

私は「二つの祖国」は読んだことはありませんが、きっと私が知らない悲しい出来事が書かれているのではと想像します。
山崎豊子さんは、奥の深い小説を書かれますよね。
私は「白い巨塔」しか読んだことがありませんけど(汗)

亡くなった祖父は姫路連隊に属し、日中戦争で中国を転戦したそうです。
紫禁城で戦友と撮影した写真が残っています。
太平洋戦争当時は除隊となっていました。
生前に戦争の話を聞いていたらよかったと最近思っています。

投稿: マーサー | 2010年11月11日 (木) 20時53分

浅田次郎さんの世界にはまっては早10年
先日より「終わらざる夏」を読み始めました
彼の本はどんなジャンルの物もホロッとさせるか号泣か・・・
新刊の「マンチュリアル・リポート」お読みになりましたか?
NHKで放送中の「蒼穹の昴」シリーズの最終章のようです
読むのが楽しみでなりません

投稿: akichin | 2010年11月13日 (土) 12時46分

akichinさん、コメントありがとうございます。
浅田次郎さんの本は10冊ほど読んだでしょうか。
平成の泣かせ屋と言われる浅田さんの本には、よく泣かされました。

私は「蒼穹の昴」シリーズはまだ読んでいません。
私にとって海外が舞台の小説は、名前や地名が覚えにくく、いつも苦労しております(汗)

「終わらざる夏」は最近の政治情勢を考えると、いろいろ考えさせられる本でした。

投稿: マーサー | 2010年11月13日 (土) 22時04分

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